歴史

History
国登録有形文化財

東酒造場は平成21年1月8日付にて当店酒蔵及住居の十二棟が国の登録有形文化財に指定されました。
東酒造場は万延元年〔1860年)創業の造り酒屋で、国登録文化財の建物は、「店舗兼主屋」、「東蔵」、「中蔵」、「作業場」、「西蔵」、「検査室」、「麹室」、「桂松庵」(茶室)「緑寿庵」(待合兼客間)、「道具蔵」、「大門」「勝手口」の12連があります。

 

神泉の特徴である酒蔵は、昭和11年の火災で昭和24年に改めて立て替えられ、当時としては断熱効果が優れている地元の観音下(かながそ)の山から切り出した石で作られました。そして、西洋風のベイウインドウが特徴の検査室や、長屋門で格式のある大門、四畳半茶室の桂松庵や上質な和風建築の緑寿庵など、多様な意匠の建物が建ち並び、老舗の造り酒屋の豊かな建築空間を創出しています。

酒蔵の隣には、にじり口、貴人口もある田舎間四畳半の茶室「桂松庵」と金沢の丸岡樹仙作の庭園。の名作と昭和26年着工されました。茶室 桂松庵は、当時庭に松の大木があったことから、桂松庵と名付けられ、四畳半切本勝手で、裏千家の又隠席が基本となる小間造りです。天井は台目席で、平、落、かけ込みの三種の造りとなっており、狭い空間を広く変化をもつ様にと工夫されましたものです。又、にじり口と、貴人口とをもち、屋根は切妻の二重となり、特に壁は藁を切って(すさ)として塗り込めたすさ壁は時間と共に「わび」「さび」の世界を感じます。

 

昭和11年(1936年)に火災により西蔵を残してほぼ全焼し、西蔵以外は火災後に築造され、昭和11年に店舗兼主屋、昭和26年に茶室と数寄屋、庭とを同時に作り、火災を免れた西蔵については明治35年(1902年)移築の棟札が残っています。現在の住居は、多くの方々をお招き出来るようにと建てられ、酒蔵や桂松庵では、蔵元が企画するお茶会や四季折々の宴が開かれます。

当石蔵が日本遺産のストーリーの構成文化財として登録
 
小松市の日本遺産『 珠玉と歩む物語』小松 ~時の流れの中で磨き上げた石の文化~で、観音下石を使った昭和20年代に築造された石蔵として紹介されました。
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登録有形文化財(とうろくゆうけいぶんかざい)は、1996年の文化財保護法改正により創設された文化財登録制度に基づき、文化財登録原簿に登録された有形文化財のことである。登録物件は近代(明治以降)に建造・製作されたものが主であるが、江戸時代のものも登録対象になっている。近年、急激に消滅しつつある近代の建造物の保護にあたっては、国レベルで重要なものを厳選する重要文化財指定制度のみでは不十分であり、重要文化財指定制度を補うものとして創設されたのが、文化財登録制度であり、登録された物件を登録有形文化財と称する。 2011年7月1日現在、建造物の登録件数は8331件である。小松市では5件の登録があり、その中でも東酒造は最多の11棟の登録があります。登録は全国的には役所、図書館、学校、駅舎などの公共建築や伝統産業施設。店舗、銀行、旅館、ホテルなどの商業建築。工場などの産業関連施設。社寺、教会などの宗教建築があり、これらの登録物件には、現役の商店、ホテルなどとして活用しつつ保存されているもの、博物館・資料館などとして公開活用されているものが多く、東京大学安田講堂(東京都)や一橋大学兼松講堂(東京都)も登録有形文化財となっています。